オリンピック選手村に建つ大規模マンションの価格、販売状況は?


                オリンピック選手村に建つ大規模マンションの価格、販売状況は?

2017年に建設工事に着手した中央区晴海の「晴海フラッグ」は、4,000戸を超える国内最大の大規模マンションです。新型コロナウイルスによるオリンピック延期を受け、引き渡しが大幅に遅れたことでも注目を集めました。それでも資料請求はあとを絶たず注目度が高いマンションです。

今回は、気になる「晴海フラッグ」の販売再開状況や価格帯、複合施設などをわかりやすく説明します。

オリンピック選手村に使われた大型マンション「晴海フラッグ」

「晴海フラッグ」は皆さんご存じのとおり、オリンピック・パラリンピック選手たちの宿泊施設として利用されました。その後、一般販売される計画です(既に一部販売されております)。3方向が海に面しており、眺望の良さが売りになっており、住居だけでなく、学校や商業施設なども建設予定です。公式販売ホームページを運営する三井不動産は「必要なものすべてがそろうALL IN TOWN」と謳っており、国をあげた一大プロジェクトです。

公式ホームページ:HARUMIFALG

物件概要

晴海フラッグの物件概要ですが、中央区晴海の広大な土地に計5,632戸の分譲住宅と商業施設を併せ持つ複合施設です。

棟は、SEA VILLAGE686戸、SUN VILLAGE1,822戸、PARK VILLAGE1,637戸の3つと、賃貸住宅街区のPORT VILLAGE1,487戸の計4つから構成されています。

最寄り駅の大江戸線「勝どき駅」まで徒歩約20分と駅から離れてはいるものの豊かな自然を感じられる東京のランドマークです。

駅が遠い点においては都心の新たな交通手段として期待されている「BRT」を利用することによってアクセス難の懸念をなくそうとしています。

「BRT」とはバス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略で大型輸送力が魅力的な交通手段です。BRTの詳細については後述します。

アクセス

駅が遠いと懸念される「晴海フラッグ」の交通手段として「BRT」が注目を集めています。
「BRT」とは「Bus Rapid Transit」(バス高速輸送システム)の略です。連節バスの採用、走行空間の整備等により、路面電車と比較して遜色のない輸送力と機能を有し、定時性・速達性を確保した、バスをベースとした交通システムを指します。

本格運行は2022年以降を予定されており、2020年10月に1回目、オリンピック・パラリンピック終了後に2回目のプレ運行が予定されています。

主な停留所としては「虎ノ門ヒルズ」「新橋駅」があり、都心へのアクセス時間が短縮されます。運賃に関しては大人片道220円の均一です。

また、中央区晴海は「晴海フラッグ」による人口流入で新たな交通需要が見込まれています。中央区では平成26年度から臨海部と都心部を結ぶ地下鉄新線の導入に関する調査検討を始めました。

令和3年7月に行われた交通政策審議会(東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会)では「東京都において臨海部の将来像を示しているが、今後の具体化に向けた検討が重要。開発には不確実性が伴うため、東京都がしっかりと関与した上で、都市づくりを進める必要がある。」との意見があり、まだまだ現実味は帯びていないと言えます。

参考:国土交通省「交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会」

最短引き渡しはいつ?

当初の引き渡し時期は2023年3月でしたがご存じの通りオリンピック・パラリンピックが延期となり現在、引き渡し予定は当初から1年遅れの2024年3月となっています。
こちらの延期で、2023年3月に入居を予定していた一部の購入者が民事調停を申し立てる事態にまで発展しました。

複合施設

「晴海フラッグ」は、住まいだけでなく生活にかかわるさまざまな機能が完結できるような複合施設となっています。各施設の完成予定は下記です。

水素ステーション:*1 2023年3月開業予定
マルチモビリティステーション*2 2023年度完成予定
商業施設(名称未定)*3 2024年3月開業予定
教育施設(小中学校・保育施設) 2024年度開校予定

 

*1. BTR車両や燃料電池自動車に水素供給を行う予定
*2. BTR車両や都バスそれぞれの停留所となる予定
*3. 大型商業施設が開業予定でスーパーマーケットなどの生活商業施設が開業予定

 

設備

さまざまな複合施設を有する「晴海フラッグ」ですが、こちらでは居室の代表的な設備について紹介します。

小型蓄電池

全住戸に小型蓄電池が標準装備されており、万が一の場合、蓄電池によって発電や給湯が可能になります。
加えて家庭用燃料電池の「エネファーム」も装備されますので、家庭内でエネルギーをつくり、余剰エネルギーは蓄電池にためておくことも可能で省エネをサポートしてくれます。

TES温水式床暖房

床暖房は大きく分けて2種類ございます「電気式」または「ガス温水式」です。晴海フラッグでは「ガス温水式」が装備されております。特徴としては温水で床を温めるので室内の空気は汚さず、部屋中を緩やかに温めることが可能です。また「電気式」に比べてランニングコストも抑えられることからこちらも省エネ効果は高いです。

エネルックリモコン

エネルックとは、リモコンで家庭内のガス・お湯の使用量・目安料金・CO2排出量を表示することができるものです。先月の使用料と比較することもでき、省エネ活動をサポートしてくれます。

その他の主な設備

その他の設備については下記表にまとめます。

防犯・防災 水回り その他
・非常用ボタン
・フットライト
・耐震ラッチ
・防災センサー
・玄関前カメラ
・対震ドアガード
・防犯サムターン・鎌デッド本締錠
・キレイサーモフロア
・ミストサウナ付き浴室暖房乾燥機
・グローエ社製オーバーヘッドシャワー
・ディスポーザー
・浄水器一体型水栓
・食器洗い乾燥機
・多機能グリル
・ステンレスレンジフード
・ブルモーション機能付きスライド収納
・ミラーキャビネット
・シューズインクローゼット
・ウォークインクローゼット
・納戸
・トランクルーム

公式ホームページ:HARUMIFLAG

販売状況

2018年の10月31日に公式サイトを立ち上げ、2019年7月に600戸を販売する第一期販売を開始しました。第一期二次販売は同年11月から340戸の販売をし、同様に多くの申し込みが殺到しました。

第一期販売での最高倍率は71倍

第一期販売の結果としては、2,220組の登録申込があり、最高倍率は71倍、平均2.36倍という結果でした。
第二期販売が予定されていたところで、新型コロナウイルスによる販売が1年以上停止という異例な事態が発生しました。
オリンピック閉会後の2021年8月25日に同年11月中旬より販売を再開すると発表しました。
販売戸数の発表は11月の予定となり、1年以上の中断を挟んだ販売状況が注目されています。

安い?高い?

晴海フラッグがここまで注目されるひとつとして、金額が割安という点があります。その背景として、こちらの土地はもともと東京都のもので都から格安で買い取ったことにあたります。
土地価格を抑えられたことによって販売価格を抑えることができたと考えられており、晴海フラッグの坪単価は300万円前後と言われております。

今年8月の株式会社不動産流通研究所によると都内のマンション平均坪単価は331万1000円であったことから、駅から離れているというデメリットを抱えつつも中央区晴海で平均を下回る坪単価は割安と言えるのではないでしょうか。

「晴海フラッグ」への住み替え

1年以上の販売活動中止を受け、今年11月よりようやく再販売される晴海フラッグですが、第一期を超える申込みが入る可能性は十分考えられます。
なぜなら、この中断期間によって、検討時間も増えたことと、今回三井不動産を筆頭とする大手11社の不動産会社が売主として宣伝活動を行っている点が挙げられます。
第一期販売で最高倍率が70倍を超えたこともあり、4,000を超える戸数の販売ではありますが、間取りや眺望がよい部屋はどんどん埋まっていきます。

住み替えをご検討の方はお早めに行動しましょう。なお、住み替えの際は現住居の査定額を知ることが最重要です。複数の不動産会社へ問い合わせ、一番高く売れる金額を把握しておきましょう。

まずは不動産会社に相談してみましょう。

一括査定をはじめる