空き家のマンション問題が急増中。持っておくか売却か、一番の解決策とは？

相続や住み替えなどによって、住まなくなったマンションを持ってしまった場合、どのような対応をすれば良いのでしょうか。また、空き家のままマンションを所有し続けることで、どのような問題があるのでしょうか。
今回は、空き家となったマンションの活用方法や処分方法を解説します。

増え続ける空き家の戸数

日本の空き家は年々増加傾向にあります。平成30年に実施された「住宅・土地統計調査」によると、全国の総住宅数6,242万戸のうち、空き家の数は846万戸でした。空き家率は13.6％で、過去最高の数値となり、今や「空き家問題」は日本が抱える大きな社会問題になっています。

空き家問題は戸建てだけじゃない

空き家というと、築年数の古い地方の戸建てをイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、近年ではマンションの空き家も増加しており、同じく平成30年に実施された「住宅・土地統計調査」では、空き家総数に占める共同住宅（マンション・アパート等）の割合は4割を超えています。

空き家のマンション実態

マンションが空き家になる理由の1つが相続です。ひとりっこ同士の夫婦世帯が、両方の親からマンション相続をするといったことが起こります。相続した夫婦世帯も既にマンションを購入していた場合、相続したマンションは空き家になってしまいます。
マンションは戸建てとは違い、取り壊して別の土地活用をするといったことが不可能なため、戸建てに比べて柔軟な活用が難しいでしょう。
マンションの空き家が増えることによって、管理費・修繕費が十分に徴収できず、建物のメンテナンスが不十分になってしまい、物件としての価値がさらに減少していくといったケースも多く見られます。

タワーマンションの空き家問題

人気の高いタワーマンションでも空き家問題は存在します。メンテナンスや修繕で積立金や管理費が高額になるがゆえ、空き部屋数が増えることによって十分な修繕費用が賄えなければもちろんメンテナンスができなくなります。修繕が適切に行われなければ空き家が増える原因となります。また入居者が高齢になるにつれて修繕積立一時金の徴収も困難になり、維持管理が満足に行われていない建物のことを「腐動産」と言われることもあります。

空き家のマンションを放置するとどうなるのか

空き家のマンションを放置しておくとさまざまな弊害が起きてしまいます。放置した場合のマイナスポイントや建物自体へ及ぼす影響について解説します。

マンションに住まなくても維持費・コストが発生する

たとえ、マンションを空き家のままで放置して、全く利用していなくとも、毎月の維持・管理費は支払わなくてはなりません。その他にも、固定資産税・都市計画税といった税金も発生するため、毎年数十万円の維持費用が必要です。
もしも、空き家になったマンションを持っていて、現在管理費や修繕費を管理組合へ納めていないケースは要注意です。数年分のまとまった滞納額を請求される場合もあります。

マンションがスラム化する原因になる

マンションに空室・空き家が増えると、スラム化してしまう可能性もあります。スラム化したマンションとは空き家率が高く、犯罪・衛生環境の悪化などといった事象が懸念されるマンションです。
スラム化してしまうと、メンテナンス不届きによる悪臭の原因であったり、人々が近寄らなくなってくると浮浪者や不審者のたまり場になったりします。
スラム化してしまう一番の原因は、マンションを維持・管理する組織の管理組合が機能していないことが挙げられます。他にも、築年数が古い・入居者が高齢者ばかり・立地条件が悪いなどがマンションのスラム化を進めていきます。

空き家のマンション活用方法

では、住まなくなったマンションを所有している場合、どのような対処方法があるのでしょうか。
空き家のマンションをどう活用するかは、所有者のライフスタイルよって変わります。賃貸に出し維持していくのが良いか、手っ取り早く売ってしまった方が良いのか、ご自身のライフスタイルに合った空き家対策を理解しましょう。

空き家のマンションを賃貸に出す

所有したまま賃貸へ出すことも1つの方法です。上手く入居者が決まれば、毎月家賃収入を得ることができます。ただし、税金の支払いや物件管理を管理会社に委託した際の管理費用は所有者負担です。将来的に利用予定があるのであれば、「定期借家」という方法で賃貸に出さなければなりませんので注意が必要です。
また、物件自体はそのまま所有しているので管理会社へ物件の管理を委託したとしても定期的に管理会社と連絡する手間はかかってしまいます。

民泊に出す

同じように貸す行為として「民泊」という方法もあります。こちらは1日単位で希望者に貸すことが出来ます。民泊は「Airbnb」など民泊仲介のサービスなども流行し知っている方も多いかもしれませんが、トラブルも多いので注意が必要です。
利用者の多くは訪日外国人となります。文化の違いから「ゴミの分別」「騒音問題」「共有スペースの民泊利用者による占領」などの苦情も多く存在します。空き家対策としては容易に活用できるのは良いのですが、周りの入居者に迷惑をかける可能性もあるのが現状です。
また、多くのマンションで「転貸借の禁止」「住居以外の利用用途の禁止」の記載がある契約書が多いので、ご利用の際は管理会社への確認が必須です。

知り合いに住んでもらう

賃貸と同様のものですが、知り合いに貸す場合です。
間に不動産会社を通す必要はありませんが、契約書等もありませんので必要であれば作成しなくてはいけません。知り合いだからこそ、後々トラブルになるのを避けるために条件等はあらかじめ決めておく必要があります。
また知人から家賃収入を受け取る場合でも税務署への申告は必要になります。

空き家のマンションを売却する

売却することにより、買い手が見つかれば、当然ですがまとまった費用が得られることと、税金や物件の管理状況などを、以後全く気にしなくてよくなります。
一言に売ると言っても、個人に売る方法や不動産会社に直接買ってもらう方法などさまざまございます。売却活動や売却金額は不動産会社によって異なるので、複数の不動産会社へ相談することをおすすめします。

マンションの空き家売却は一括査定が一番！

マンションの空き家問題は一括査定が一番です。物件情報を入力するだけで査定が出来ます。査定には机上査定（物件の情報だけで大まかな査定額を算出する）と訪問査定（実際に物件を見てもらい、正確な金額を算出する）があります。空き家査定の場合は実際に住んでいないケースが多く、物件の状況が細かく把握できていない可能性が高いので、実際に物件を見てもらう訪問査定がおすすめです。不動産会社へ訪問査定希望の旨を伝えましょう。

査定だけでなく活用方法なども相談しよう

一括査定サイトの利用では査定額の算出だけでなく、活用方法・処分方法なども相談していただけます。訪問査定の際に活用方法・処分方法についても相談しましょう。

複数の不動産会社への相談で一番いい方法を

一度の査定依頼で複数の不動産会社へ査定依頼が可能です。各会社、または担当営業によって対応できる処分方法・活用方法が異なりますので複数の不動産会社のご提案からより良い条件を見つけましょう。複数の不動産会社とやり取りする手間はかかりますが、その物件にあった一番いい活用方法・処分方法が見つかることでしょう。