マンション売却にかかる期間は平均どれくらい?いつから売却を始めたらいいか解説
- 2021.07.30
- マンション売却
マンションの売却を検討した時、いつ売却活動を始めれば良いのか、売却までにどのくらいの時間がかかるのかなどが気になります。
住み替えが目的なら、売却金を新しい家の購入資金に充てようと考えている人もいるでしょう。今住んでいるマンションの売却が完了しないため、購入資金が確保できず、他の人に気に入っていた物件を先に購入されてしまった…といったことがあるかもしれません。
この記事では、マンション売却にかかる平均期間や、短期間で売却を終わらせる注意点などを紹介します。
マンションの売却を計画的に進めるための参考にしてください。
マンション売却にはどれくらいの期間かかる?
マンション売却に実際どれくらいの期間が必要なのか目安を紹介します。
今回紹介するのは、不動産会社にマンション売却の仲介を依頼した場合です。
マンション売却にかかる期間は平均3~6カ月といわれています。
実際、東京カンテイが2020年にプレリリースした「中古マンションの価格乖離率&売却期間(首都圏・近畿圏)」でも売却期間の平均は3~4カ月の間となっています。ここでの売却期間は売り出しから成約までの期間のことで、実際には売り出し前や売り出し後の期間も含まれています。
その中でも、売却準備期間と売却中の期間、売却後の事務処理などにかかる期間をそれぞれ分けてご紹介します。あくまでも目安ですので、物件の状態などを不動産会社に確認しましょう。
マンション売却前の準備期間
マンションの売り出しを始める前には、事前準備が必要です。
準備期間として約1カ月みておきましょう。
以下の表は、準備ですることとそれにかかる目安の期間です。
項目 | 目安の期間 | |
---|---|---|
1 | マンションの相場を調べる | 1週間 |
2 | 掃除、不用品の整理 | 2週間 |
3 | マンションの査定を依頼する | 1~2週間 |
4 | 媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ | 1週間 |
5 | 必要書類を準備する | 1カ月 |
それぞれについて説明します。
ステップ1.マンションの相場を調べる
今住んでいるマンションの相場を調べます。相場を知らないと、売却の適正価格が分かりません。 相場の調べ方は、不動産のポータルサイトで、間取りや立地が類似している物件の売却価格を確認する方法があります。あくまでも設定した売却価格のため、鵜呑みしないようには注意しましょう。 その他にも、複数の不動産会社が出している成約実績を確認してみるのも良いでしょう。
ステップ2.掃除、不用品の整理
マンションの査定を依頼する前に、物件の掃除や不用品の整理を済ませておきましょう。 部屋の状態をきれいにしておくことで、査定価格が高くなる可能性があります。
ステップ3.マンションの査定を依頼する
今住んでいるマンションの査定を依頼しましょう。 どれくらいの価格で売れるのかが分かれば、資金計画なども組みやすいです。 その時、1社だけに査定を依頼するのではなく、複数の不動産会社に依頼して比較することが大切です。
ステップ4. 媒介契約を結ぶ不動産会社を選ぶ
複数の不動産会社に査定を依頼したら、比較して、自分の希望条件に合った不動産会社を選びましょう。 不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。 信頼できる不動産会社を選ぶことで、売却をスムーズに行うことができます。
ステップ5. 必要書類を準備する
必要書類を事前に準備しておくと、スムーズに売却を進めることができます。 マンション売却を検討している段階で集め始めましょう。 必要な書類については、以下の記事を参考にしてみてください。
買取についての記事ですが、必要な書類は同じです。 また、仲介の場合は不動産会社の担当者が作成を対応してくれるため、相談しながら準備しましょう。
マンションの売却活動期間
マンションを売り出してから、売主と買主の間で売買契約を結ぶまでの期間は約1~3カ月かかります。 以下の表は売却中の実際の流れとそれぞれにかかる目安の期間です。 これは、物件の価値や時期によっても左右されます。
項目 | 目安の期間 | |
---|---|---|
1 | 不動産会社による広報活動 | 売却期間中 |
2 | 内覧などによる買主探し | 1~3カ月 |
3 | 契約内容の交渉 | 1週間 |
4 | 売買契約を締結 | – |
それぞれについて説明します。
ステップ1.不動産会社による広報活動
売却を開始するとき、まず不動産会社がマンションの売り出し情報を様々な媒体に公開します。 不動産会社との契約が、他の不動産会社に売主が依頼することができない専任媒介契約、または専属専任媒介契約の場合、売却するマンションの情報は「レインズ」への登録が義務づけられています。
「レインズ」とは、という国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する不動産情報データベースのことです。
その他にも、自社のホームページへの掲載や、他社サイトへの掲載により、購入希望者に向けて広報活動をします。
ステップ2.内覧などによる買主探し
購入希望者がいれば、内覧を行い、買主を探します。
内覧の対応は基本的に仲介会社がしてくれますが、事前に掃除をするなど、準備は怠らないようにしましょう。
ステップ3.契約内容の交渉
買主が見つかると、次は細かい契約内容の交渉に入ります。 契約内容は契約を結んだ後に変更することが難しいため、しっかりと確認することが必要です。
自分の希望条件で契約が締結できるよう、不動産会社に相談しながら進めましょう。
ステップ4.売買契約を締結
契約内容が固まれば、売買契約を締結します。
売却後
契約が終わったらマンション売却は終了、というわけではありません。 売買契約の締結後、必要なことがあるので、確認しましょう。
期間としては、約1カ月程度みておくのが良いでしょう。
以下の表はマンションの売却後に必要なこととそれぞれにかかる目安の期間です。
項目 | 目安の期間 | |
---|---|---|
1 | 代金の受け取り | 現金の場合1週間 ローン審査がある場合1カ月 |
2 | マンションの引渡し | – |
3 | 確定申告をする | – |
それぞれについて説明します。
ステップ1.代金の受け取り
買主からマンションの売却金の受け取りをします。 現金の場合、1週間程度で済みますが、多くの場合買主がローンを組むため、金融機関に申請する期間が必要です。
そのため、売買契約を締結後、引き渡しまでは、1カ月程度設けることが多いです。
ステップ2.マンションの引渡し
マンション引き渡し当日は、売主と買主、両者それぞれの仲介会社、司法書士が立ち会います。 契約内容と引き渡すマンションの状況に相違がないか、といったことを確認します。
書類と鍵を渡すことで引渡し完了です。
ステップ3.確定申告をする
マンション売却によって利益が出た場合などには、確定申告が必要です。
例年、売却をした翌年の2月16日から3月15日(土日の場合は、次の月曜日まで)の間に申告する必要があるため、忘れないようにしましょう。
また、利益が出なかった場合でも、確定申告をすることで税金が還元されることがあります。
マンションを長期間売りに出すのは危険?
自分のマンションを売りに出してからなかなか買主が見つからないからといって、長期間売却中のままではさらに売れなくなる可能性があるため注意が必要です。
なぜなら、それだけ長期間売れていない物件ならば、何か不備や不満点があるのではないか、と購入希望者に印象づけられてしまうからです。
また、売り出し期間が長期化することで、物件の維持費用がかかり、資産価値が低下することにつながります。
結果として、売却価格を値下げすることになり、自分が希望していた販売価格で売却することができなくなります。
売却期間が長期化しやすいケース
マンションの売却期間を短期間で終わらせるために、売却期間が長期化しやすいケースを紹介します。
売却期間が長期化しやすいケースとして以下のような場合があります。
- 売却価格が相場よりも高すぎる設定
- マンションの需要がない
- 仲介を依頼した不動産会社の力不足
それぞれについて簡単に説明します。
売却価格が相場よりも高すぎる設定
売り出しているマンションの価格が類似物件と比較して高すぎる設定がされていた場合、なかなか買主が見つからない可能性があります。
マンションの相場を知り、高望みしすぎない売却価格を設定しましょう。
マンションの需要がない
そもそも売却しているマンションの需要がないかもしれません。
例えば下記のようなマンションは需要が低く、売却までつながりにくいです。
- 築年数が古い
- 周りにスーパーやショッピングセンターなど商業施設がない
- 交通機関までの距離が遠い
- 日当たりが悪い
以上のようなマンションの場合、売却期間が長期化しやすいことを覚悟して、 売却計画を立てましょう。
仲介を依頼した不動産会社の力不足
仲介の場合特に、マンションの売却は不動産会社の力が欠かせません。
そのため、営業力が低い場合や実績が少ない不動産会社だと、なかなか買主を見つけることができない可能性があります。
事前準備の段階で複数の不動産会社をしっかりと比較して、「この担当者になら任せてもいい」と思える会社を見つけましょう。
買取という選択肢もある
ここまで、一般的な仲介によるマンション売却について話してきましたが、買取という選択肢もあります。
買取は、不動産会社が買主となりマンションを買い取るため、買主を探す手間がありません。
不動産会社は、物件を買い取った後にリフォームやリノベーションにより物件の価値を上げて売りに出します。買取価格は、それにかかる費用を想定して決まります。 そのため、買取は仲介よりも売却価格が安くなる可能性が高いです。
買取は、売却価格が仲介と比較して高くなくても良いから早く現金化したい人が向いています。
計画を立てよう
マンション売却を長期化させず、スムーズに成功させるためには、計画を立てる必要があります。
自身の現状から、どれくらいの期間かかるかを想定してみましょう。
特に、住み替えの場合、新しい物件の購入をどのタイミングでするかが大事になります。 売り先行なのか買い先行なのかも含めて計画する必要があります。
売り先行での計画の立て方
売り先行とは、先に今住んでいるマンションを売却した後に、新しい物件を購入することです。
売り先行の場合、売却期間が長引くと、自分が希望する条件の新しい物件をすでに他の人が購入している可能性があります。その場合、新たに気に入る物件が見つかるまでの間、仮住まいを確保する必要があり、費用が余計にかかる可能性があります。
物件が多く出回る時期は、例えば1~3月の引っ越しシーズンがあります。物件が多く出回っている時期の早い段階だと自分の気に入る物件があるかもしれません。
そのため、自分の希望通りの物件を手に入れるためにも、まずは新しい物件の購入希望時期を決め、そこから逆算して売却活動の開始時期を決めましょう。
買い先行での計画の立て方
買い先行とは、先に新しい物件を購入した後に、今住んでいるマンションを売却することです。
買い先行の場合、売却期間が長引くと二重で物件を所有することになり、維持費がかかります。 そのため、資金面でも売却はできるだけ短期間で済ませたいでしょう。
まずは新しい物件を購入や賃貸する前に、短期間で売却が可能なのか、事前に想定しましょう。
不動産会社に販売計画を立ててもらう
実際にマンションの販売計画を立てようとしたとき、自分自身で具体的に想定しづらいです。 そのため、不動産会社に依頼した際に、販売計画を立ててもらうのがおすすめです。
不動産会社に依頼すると、マンションの現状も加味して計画を立ててもらえるため、具体的な期間が想定できます。自分に知識がない場合は、専門家に頼るのが良いでしょう。
また、不動産会社に相談する時は、1社だけに相談するのではなく、まずは複数の不動産会社に相談することをおすすめします。1社だけに相談した場合、査定価格が適正なのかどうか、本当に信用できる会社なのか判断することが難しいです。
一括査定サイトのように、簡単に複数の不動産会社を比較することができるサービスもあるので、活用しましょう。